移りゆく季節に光をあてて、
「そうめんのある日常」をお届けする
小さな情報メディアです。
「そうめん」という懐の深い食材が、
あわただしい現代社会の
日常に寄り添って、
良き相棒となってゆきますように。

九月に秋は来ない。そんな風に思うようになってから、もう何年も過ぎた。爽やかな秋の風などまだまだ期待せず、残暑というにも暑すぎる日々の隙間に、夏の終わりの香りをなんとか見つけては、慈しんでいる。それでも、早朝のほんの一瞬に出くわす少し乾いた空気、日に日に勢いを増す夜の虫の声、そして、季節を進め始めたスーパーの野菜の棚など、目と耳と心を澄ませば確実に、秋は近づいている。その季節の移ろいに、胸の高鳴りを抑えきれない。
今年の夏も、酒の肴に、子供達のおやつに、そして私の料理の強い味方としても、枝豆が大活躍している。秋の到来は嬉しいが、枝豆の季節が終わりを迎えるのは少し寂しく、それまでに、あれもこれもと、前のめりに楽しんでいる。最近は、青、茶、黒と、手に入る品種も増えたのが楽しく、その濃厚な甘みと香り、時折出くわす大粒の、その食べ応えに驚きながら、食卓にのぼる回数は年々増える一方だ。最近は、海外でも枝豆が人気らしく、フランスに住む現地人の友人からもよくエダマメが話題に上る。話を聞くたびに、一度茹でたての大きな黒枝豆を食べさせてあげたいなと心から思う。あの、ほんの一瞬の旬にしか味わえない一期一会のような枝豆。あればかりは、この地に居ないと享受できない歓びだ。
あんな美味しい食べ物が、まだ見知らぬ世界中のあらゆる土地にも、きっとたくさんあるのだと思うと、あらゆることがオンラインで叶うこの時代に残る、物理的な不便さに、少し胸を撫で下ろす。人間の身体にその地の風が巡り、その大地を踏みしめることでしか得られないもの。子供達の未来のためにもそのことの豊かさを忘れないでいたい。
どこか知らない土地に旅の計画でも立てようか。そんな気持ちになるのもまた、心と身体が過ごしやすい季節に向かっているという、秋の訪れの証なのかもしれない。
黒枝豆とオイルサーディンの
そうめんタブレ
クスクスの代わりに刻んだ素麺を使った、安心感と新鮮さが秀逸な、元気が出る晩夏の一皿。
材料二人分
素麺
1束
黒枝豆
1/2袋(100g)
オイルサーディン
(油を切って一口大に切る)
50g
大葉(みじん切り)
5枚
赤玉ねぎ(みじん切り)
1/4個
【A】
レモン汁
1/2個分
にんにく(すりおろす)
1/4欠片
塩
適量
胡椒
適量
オリーブオイル
30g
作り方

「そうめん手帖」とは
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