移りゆく季節に光をあてて、
「そうめんのある日常」をお届けする
小さな情報メディアです。
「そうめん」という懐の深い食材が、
あわただしい現代社会の
日常に寄り添って、
良き相棒となってゆきますように。

「今年も一年よく頑張りました。」と、声を掛け合いたくなる。そんな一年だった。まだ十二月は始まったばかりなのに、既にもうそんな気持ちだ。しかし、この師走こそ、楽しく健やかに乗り越えなければならない。もうひと踏ん張りだ。あっという間にクリスマスがやってきて、年賀状、大掃除、そしておせち作りが待っている。クリスマスから一晩でお正月モードに切り替わる、商戦感が剥き出しのこの文化は、本当に日本らしさの極みみたいなもので、本場のヨーロッパに行けば、クリスマスが終わればその余韻が年末年始へと穏やかに続く。うちはキリスト教でもないし、クリスマスは特に祝わなくても良いとは分かりつつも、この国で何十年も生きてきてしまったこの魂は、もう十分にこの国のこの文化に住み着いている。だから私は、クリスマスは大いに楽しみ、そしてその後、もう一つギアを上げて元旦に向かう。どんなに慌ただしくてもその習慣は変えられない。
一番のお楽しみは、やっぱりクリスマスイブだ。かつてヨーロッパですごしたクリスマスにすっかり影響されて、特別なことはせずとも、何が何でも家族全員でゆっくりと美味しいものを楽しむ日。そしてみんなで贈り物を贈り合う。慣れない蝋燭を灯し、慣れないテーブルクロスを敷く。この、一年で最も煌びやかな一夜は、文化も宗教も飛び越えて、家族みんなの心に積み重なり、ずっと温かいまま残っていくだろう。他でもなく、そのことに意味がある。美しい時間を過ごした分だけ、感性はふくよかになっていくと信じている。
そしてそれが過ぎれば、いよいよ大詰めだ。大晦日。全ての作業を終えて、最後に囲む食卓は、今年は蟹すきに決まっている。一年を振り返りながら、来年の目標の話をしながら、そして蟹に向き合う時間は、きっと無言になりながら、愛する家族とお鍋をつつく。そして、最後の雑炊の、その最後の一滴の出汁まで、余すところなく身体に取り込んで、家族全員健やかに新年を迎えたい。
蟹そうめん雑炊
一年を締めくくる贅沢で優しい味わい。
材料四人分
蟹すき
そうめん
2束
卵
2個
水溶き片栗粉
適量
ネギ、七味
適量
作り方

「そうめん手帖」とは
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