移りゆく季節に光をあてて、
「そうめんのある日常」をお届けする
小さな情報メディアです。
「そうめん」という懐の深い食材が、
あわただしい現代社会の
日常に寄り添って、
良き相棒となってゆきますように。

春休みを目前に、なんとなく忙しない日々が続いている。年度末で家族みんなが誰かとの別れや、環境の変化を控えているので、感情も忙しい。それに加え、子供達は月末に今季最後のスキーに出かけることになり、その準備と楽しみもあって、一層そわそわしている。春スキーといえば、私が子供の頃、家族で出かけた民宿の中庭で見つけた、ふきのとうのことが真っ先に頭に浮かぶ。まだ雪が残っている非日常の世界だけでもワクワクしているのに、その雪を地面から突き破り、雪を微かに纏いながら顔を出している、そのふきのとうの姿には、さらに大騒ぎした。そして幼心に、「春が近づいている」とはっきりとわかった。おそらく国語の教科書か何かで、ふきのとうの詩を読んで知っていた影響だろう。
そういうわけで、ふきのとうは私にとって、特別な存在だ。天ぷらにしたり、甘めの味噌にして春を味わう。最近はグラタンやコロッケも気に入っている。以前、この香りを長く楽しみたいと目論んで、さっと佃煮にしたものを丁寧に密閉して冷凍保存したことがある。暖かくなり、そろそろかなと思ってご飯にのせて食べてみたそれは、良い香りこそ十分に残っていたが、心はほとんど動かなかった。ふきのとうは、冬と春が交わる、あのほんの一瞬の季節に味わうからこそ美味しいのだ。なんと趣のないことをしようとしたものかと自らを省みた。
春の山菜。ふきのとうに始まり、たらの芽やこごみ、うるいやわらびと、これからたくさんの楽しみが待っている。そのどれもが、春の始まりを告げるその時だけの尊い自然の恵みだ。一息つける夜を見つけて、まずは天ぷらから。今年もたくさん楽しみたい。
山菜の天ぷらとにゅうめん
春の香りをいの一番に楽しむ、素朴で贅沢な天ぷらを、あつあつのにゅうめんと共に。
材料二人分
お好みの山菜
適量
冷水
300cc
小麦粉
180g
卵
1個
油
適量
にゅうめん
作り方

「そうめん手帖」とは
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