移りゆく季節に光をあてて、
「そうめんのある日常」をお届けする
小さな情報メディアです。
「そうめん」という懐の深い食材が、
あわただしい現代社会の
日常に寄り添って、
良き相棒となってゆきますように。
蝉の声で目覚める朝のことを思い浮かべながら、梅雨明けを待っている。枝豆にとうもろこし、トマト、ズッキーニ、そして待ち焦がれたスイカとメロンの仲間達。夏はこのみずみずしい夏野菜と果物を楽しむために暑いのかもしれないと思ってしまう程、旬に向かう色鮮やかな食材に心が躍る。この時期は、ぬか床の中もにぎやかで、浅漬けは漬けても漬けてもあっという間に子供達のお腹に収まっていく。ビールの肴に古漬けを待つお父さんの口には、なかなか辿り着きそうもない。
もうすぐ七夕祭り。この時期になると、あちこちに笹が飾られ、色とりどりの短冊にしたためられた、たくさんの人の様々な願い事を垣間見ることができる。家内安全、世界平和といった定番で切実な願い事も、幼くて可愛らしい願い事も、突拍子のないものも、それぞれがそれぞれ、きっと本当で、それをちゃんと言葉にして書くという行為がとても良いなと思う。人が何かを願うということは、それだけで良いエネルギーが巡り始めるような気がして心地よい。
「短冊に何書いたの?」「今年は会えるかな、織姫さんと彦星さん。天の川見えるかな。」そんなお決まりの話をしながら、今年の七夕(そうめんの日)も、家族で、少しご馳走風のそうめんを食べるつもりだ。
それが終わったらいよいよ夏本番。去年の夏の旅行は台風で断念したから、今年は少し時期を外すことにした。二年分思いっきり楽しめますように。美味しいものをいっぱい食べて体力をつけて、思い出に残るような夏を軽やかに過ごしたい。
茄子の異国風ステーキ
七月七日はそうめんの日。シンプルな冷やしそうめんを主役に据えて、太陽の恵みが詰まった夏野菜の副菜で彩りを。
大きな茄子にぴったりの、新鮮なのに親しみやすいマリアージュ。
材料四人分
なす
2本
ピーナッツバター
適量
コチジャン
適量
濃口醤油
適量
カシューナッツ
適量
作り方
とうもろこしとカレーの卵焼き
大人も子供も大好きな、卵とカレーとコーンのお皿。
材料四人分
卵
4つ
カレー粉
小さじ1
薄口醤油
小さじ2
とうもろこし
1/2 本
作り方
梅雨。今日も子供たちの賑やかな声が聞こえる。水たまり、長靴、傘。カタツムリにアマガエル。大人にとっては煩雑なことが多いこの時期も、子供たちは変わらず楽しそう。そういう姿を見ていると、特に何もなくても、工夫してあれこれ楽しめることの尊さに、まじまじと気付かされる。
今年もついに梅仕事の時期がやってくる。立派な青梅を見つけるとつい嬉しくなって手を伸ばしそうになるのだが、我が家では梅ジュースや梅酒は意外と減らないと気付いてからは、皆が大好きな梅干し作りに的をしぼって精を出すことに決めている。
塩分優しめの蜂蜜漬けも、しっかり酸っぱい昔ながらの梅干しも、しそ漬けも白干しも、それぞれの味わいが楽しく、家族が気分に合わせて選んでいるのが嬉しい。この一年は蜂蜜漬けが特に人気で、残りの数をちょっと気にしながら食べ進めているので、今年は多めに漬ける予定だ。
炊き立てのご飯に梅と焼き海苔。あとはお醤油や胡麻を合わせたり、少しオリーブオイルを垂らしたり。新茶のこの季節は梅茶漬けも定番で、食欲のない時の強い味方。私は、日常の慌ただしさの中では、こういったシンプルな食事に勝る美味しさはないとすら思っている。
逆に、それが美味しく感じられない時は、身体か心からの危険信号。梅干しは、そんなバロメーター的存在だ。我が家では、少しくらいの風邪や不調なら、美味しい梅干しがあれば乗り切れるとみんなが信じている。
ついつい瓶が増えていくが、梅の様子を眺める日課がこの時期の醍醐味で、それを楽しみながら、梅雨明けの太陽を心待ちにしている。
そうめん梅茶漬け
季節の変わり目でなんとなく食欲がない時にも、こんなに美味しいものがあったのかとハッとする日本の味。
新茶の季節を存分に楽しめます。
材料二人分
素麺
2束
かつおぶし
2つまみ
梅干し
2個
大葉
2枚
韓国のり
適量
わさび
適量
薄口醤油
適量
緑茶
適量
作り方
新緑の季節。山の景色も、庭の木々も、街の喧騒にも、目に映る世界すべてに、青々とした緑が溢れ始めた。爽やかな風には、初夏に向かうエネルギーが満ちていて、気を緩めると微笑んでしまうような心地よさ。一年できっと一番幸せな風だと、今日はそう思えてならない空気を、目を閉じて胸いっぱいに吸い込んだ。
先日、小学校の体験学習で、子供たちの賑やかな声が飛び交っていた近所の田んぼは、すっかり美しい水田となり、朝の光にキラキラと輝いている。実家のさくらんぼの木には、まもなく真っ赤な実が実る。老木なので、年々少なくなってきたが、それでも子供たちは大はしゃぎで、鳥たちに食べられる前に赤い実を見つけては、大切そうに頬張る。
我が家にとっては、待ち焦がれていたキャンプシーズン。新調したばかりのテントがガレージの隅でその時を待っている。今年の連休も、幼馴染の家族を誘って、少し遠出する予定だ。いつもの公園では見つけられない草花や、小川の魚や虫たちに大興奮する子供たちの声が、今にも聞こえてくるようだ。自然の中でいきいきと遊ぶ子供たちを眺めるのが、私はとても好きだ。そうして彼らの成長を感じつつ、今年もまた、この季節限定の家族の時間を存分に楽しみたいと思う。
そういえば昨夜、バーベキューの相談があった。去年、道中で見つけた、素敵な農家の直売所の話をして、一層気持ちが盛り上がってきた。そして今年も、そうめんをたくさん詰め込もう。豪快なバーベキューの合間に、青空の下で食べる冷たいそうめんは最高だ。今年はたっぷりのトマトと合わせたい。
完熟トマト
そうめん
常温で持ち運べるそうめんは、キャンプの必須アイテム。新鮮なトマトを使って、シンプルが贅沢な初夏らしい味わいに。
材料三人分
素麺
3束
完熟トマト
2個
めんつゆ(濃縮タイプ)
1/2カップ
生姜
適量
氷
適量
作り方
「そうめん手帖」とは
移りゆく季節に光をあてて、
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“そうめん”という懐の深い食材が、
あわただしい現代社会の日常に寄り添って、
良き相棒となってゆきますように。